杉山洋子料理工房
 


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FOOD TALK

教室でお料理を教えたり、世界の「食」を求めて旅をしたり、また日常生活の中から役に立つアイデア、新しい発見、感激など、「食」に関するエッセイをお届けします。



アスパラII
ワイルド・アスパラガス

5月末、かろうじてフランスのワイルド・アスパラガスに間に合った。

IACP(International Association of Culinary Professionals)のメンバーで、トロント在住の友人、ジエニファー・マックラーゲンが、パリにアパートを持つようになって久しい。毎年、5月と10月に滞在し、その他の月は、管理人にまかせて人に貸している。その彼女が、5月は、ワイルド・アスパラガスがすばらしいと言う。

バークレーの建築科を出て、建築事務所で働く娘も、休暇をとって、二人でアスパラガスをめざして、一路パリへ。近年とみに野菜料理が有名になったアルページュに予約をいれておいたが、メニューには残念ながらなかった。翌日、今、パリの旬のレストラン、アスペランスでも、その素晴らしいコース料理にも、アラカルトにもない。3日目、サンジェルマンで泊まっていたホテルのハーフ・ブロックにボンマルシェのグランエピスリの野菜売り場で、あと、2束のみ残っていたのを発見。あーこれだと感激の面持ちで、カメラにおさめる。夜、約束どおり、ジエニファーが、彼女のアパートに私達を招待してくれ、ワイルド・アスパラガス・ディナーを作ってくれた。多分、前にも食したことがある。でも、今回は、これをめざして来たのだった。レストランでは、もう旬も最後、お目にかかれなかったが、そのこごみのような食感を楽しみながら、他のアスパラガスと共にいただいた。私だったら、この食材をどう料理するだろう、と楽しく想像しながら。

その後、スイスのツエルマット、フランスのディジョンとまわって、プロバンスは、セントレミドプロバンスで友人夫婦が経営するすばらしいクッキング・スクールとカントリー・インに滞在。ここは94年から、ほぼ、毎年訪れるようになって、これで、7回め。窓から、ゴッホの描いたアルピーユの山なみがすてきで、ピーターメールのかいた、プロバンスそのものを味わえる至極の土地である。その友人夫婦が、3月から予約をとるのに四苦八苦して、前日ついにとれたと電話があり、スペインまで1泊どまりで、エルブリ(ミシュランの三ツ星)へ食べに行くことになった。私達もそれに便乗して、ラッキーなことこの上ない。シェフ、アドリアフェランは、昨年秋、(むこうは、春)、オーストラリアのアデレードで開催された「TASTE OF AUSTRALIA」で、一番評判の高かったレクチャラーでもある。今、全世界から注目されている。パリのアスペランスも彼の影響を受けているといえよう。タパスのコース料理が全部で26種類も出た中ごろ、ここで感激のワイルド・アスパラガスの一品が出たのだった。さっとゆでたものを、パルメザン・チーズを溶かして、ラップしたもの。いたって簡単なもの。でも、それは、野で、ワイルド・アスパラガスをバスケットにいれたような効果があり、しゃれた、こころにくい一品だった。このひと皿のために、シアトルからはるばるきた甲斐があったといってもよいのだった。

アスパラ アスパラ
さっとゆでたワイルド・アスパラガスを、パルメザン・チーズを溶かしてラップしたもの ボンマルシェのグランエピスリの野菜売り場で、あと、2束のみ残っていたのを発見


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