教室でお料理を教えたり、世界の「食」を求めて旅をしたり、
また日常生活の中から役に立つアイデア、新しい発見、感激など、「食」に関するエッセイをお届けします。

3月も末、雨期と干期のはざかい期に、バリに初めて行った。
大都会の東京を早朝に出発して、シンガポール経由デンパサールに着いたのは夜の9時半を過ぎていた。
それからホテルからの出迎えの車で夜道を約1時間、ついた途端、静寂な田んぼ、かえるの合唱とまぶしい
ぐらいの蛍に出迎えられて、田舎田舎したノスタルジックな空気に、心地よく、また、そのホテルの感じよさに、
あー、はるばるきた甲斐があったと、感じる。ここは、昨年の秋、メキシコでのコンフェランスでいっしょだった
マイクエデルマンさんがプレジデントを勤めるホテルグループのALILA HOTELSのUBUDである。
翌朝、深い森にいるような、いろいろな小鳥の鳴き声に目をさましたときの感激。いやし効果は抜群。
正味2泊と1日のUBUDでの滞在だったけれど、ここの景色、人々の親切さ、お料理のおいしさ、
部屋のよさ、プール、曼陀羅スパ、ブティックのすてきなこと、値段の安さ、すべてにいやされる。
ホテルのシャワーは、プライベートな庭についている。カリフォルニアのラホヤなどに屋外に作ったような。
あか抜けていて、アメニティーのよさ、確かな美意識が感じられる。マイクの奥さんのバーバラは、
メキシコのあと、カリフォルニアはビッグサーに色のセミナーをとりに行くとか言っていたけれど、
彼女の息がかかっているとしたら納得だ。
3日目は早朝、1時間も離れたところにあるマーケットに連れていってもらう。そこで、
MANGGISからEXECUTIVECHEFと落ち合って、マーケットを案内していただく。色とりどりの熱帯のプロデュースが並ぶ。
トロピカルになると、すべてが小ぶりになるのには、驚きだ。ジンジャー、ガーリック、ターメリック、ナツメッグ、
シャロット、なんでも小さい。料理道具、バスケットや、草で編んだ敷物なども売っている。
どれもこれも信じられないくらい安い。おまけに、買い物したものを、頭にのせて、
買い物をするあとから付いてきて運んでくれるおばあさんも出現。なんて楽しい経験だろう。
それからまた1時間ほど車で走って、ALILAHOTELのオーガニックガーデンに案内してもらった後、
海のそばのALILAMANGGISの部屋にとおされて、また、なんてすてきと歓声がわきおこる。テラス
にはデイベッドに優雅な蚊帳、ティーテーブル。熱帯のお姫様になった気分。ちょっと休憩して、
すぐ、マンツーマンのクッキングクラスがはじまる。
お米の種類もいろいろある。基本の香辛料そして、ソースの作り方、あえて似通っているのは、
日本料理でも基本のだし、醤油、酒、みりんと、基礎となる常番の材料は同じ。それをマスター
すれば自由自在にできる。オープンエアーの教室だから、アジアン特有の香辛料の香りも気にならない。
あっという間に数品を作ってしまう。途中、5分間の休憩に肩のマッサージがつくので、
シェフが冗談を言っているのかと思ったら本当だった。
クラスは、エグゼクティフシェフのStuart Blair氏から直接教わる。彼はシドニーから、
和久田さんのTetsuyaに2年半ほどいたからPan Pacific料理はおてのものだ。クラスが終わると、
シェフと歓談しながら成果をいただく。常番のチキンサテー・ピーナツソース、
魚のバナナリーフに包んで蒸し焼きにしたものや豚のトマトサンバル、チキンのバリネーズ風、
インドネシア風フライドライス、いたって簡単。
翌日は、セカンドシェフ(ネイティブのインドネシア人)から習う。場所を今度は海のすぐそばにかえて。
要するに、テーブルと燃料のプロパンガスコンロがあればどこでもできるのだ。スタップが3人もつく。
さらに領域をひろげた料理の数々、そして、デザートまで。私の好きだったのは、
TUMAYAMといるスパイシーなチキンをバナナリーフで包んでグリルしたもの。野菜のピクルスも箸やすめになっていい。
デザートに作った2種類はランチのあとのドライブの途中、海を見おろす素晴らしい丘につくった屋外の茶室でいただいた。
ホテルのスタッフが席を用意していて、すてきなアフタヌーンティーだ。
夜は、ホテルの庭、海のそばの東屋で夕食。シーフードオンパレードのグリル。海の波音とバリネーズ音楽を聴きながら。
バリには、おそらく現在の社会で忘れられたような、あたたかい人間の心がある。疲れた人が行くには最適。癒しの効果がある。
同行の我が娘は、多分、二度とハワイには、行く気がしないとのたまう。バリのほうがずーっといいと、いたくご満悦。
4泊して、帰る日の朝はまさにインド洋で、トロピカルフィッシュを追いかけながらのシュノーケリング。
ほかにバスケットやイカットの織物の村の散策、ギャラリーめぐり、クッキングスクール以外にいろいろ楽しめる。
時間に余裕をとって2日間UBUDと5日間のMANGGIS でのフルクッキングクラスが本当はおすすめだ。

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