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教室でお料理を教えたり、世界の「食」を求めて旅をしたり、 また日常生活の中から役に立つアイデア、新しい発見、感激など、「食」に関するエッセイをお届けします。 Part I リズのカントリーハウスにて 深夜シアトルを発ち、Jet BLUEで朝JFK空港に着く。夕方発のAir Franceパリ行きまで11時間待ちである。 空港近くのホテルで朝食でも取ろうとシャトルに乗るが、ほとんどエコノホテルのDouble Treeとか Ramada Innしかない。まあ仕方がない。案に反せず食事の内容はひどい。あと24時間のしんぼうさ、と心をなだめ、 出発の前日までシアトルの主だったシェフ達を含む茶懐石のクラスを好評に教え終わった充足感と旅先の思いにひたっていた。 シャルルドゴール空港では、この春、IACPのコンフェランスが開催された時、我が家にホームステイしていた前コルドンブルー・パリ校のディレクター、リズ・ニコルと彼女の旦那様のお出迎えを受ける。 二年ぶりのパリ。ノートルダム寺院はいつも修復工事をしていた外の覆いが完全にとれ、これは何十年ぶりとのこと。グランパレも新しく改装され、橋のゴールドもまばゆく、町自体が活気づいている。真新しくその週オープンしたのは「MUSE QUAI BRANLY」。この建物の外側は、最近見に行った金沢の「21世紀美術館」のガーデンウォール同様、緑のプラントの壁で、 心躍る新しいこころみのガーデニングである。これは、狭い敷地にでも、みどりの壁となって、すばらしいアイディアであるといえる。 ミュージアム自体はオープンしたばかりなので、行列がすごくて入れそうもない。またの機会とすることにしよう。 シャンゼリゼのラデュレーでクロワッサンの朝食に連れて行ってもらった。24時間前のJFKでの思いがすっかりくつがえされる。 ここはパリ、なにもかもおいしいし、質がいい。マカロンで有名なこの店は、パリに何店舗もあるが、 それぞれの店にはそれぞれに異なる歴史とインテリアがあって、楽しい。 通勤時間帯と重ならず、交通渋滞にあうこともなく、早々とパリ郊外のリズ達のカントリーハウスに着いて、 さっそく春にシアトルまで持ってきてくれた感激したロゼのシャンパンとオードブルでもてなされる。 この8月は寒くて一度も庭にテーブルを出せなかったのが嘘のようと、ハーブガーデンを案内してもらったあと、メドーの散策。 ここのお家は、何エーカーも広々したメドーがある。果樹のいろいろを食べながら歩くと朝食にもぴったり!と思う。 わあ、すばらしいと思ったのは、ワイルドフラワーベッド。土を入れ、家中にあったワイルドフラワーの種を順序おかまいなしにぱらぱら撒いたら、 すばらしいワイルドフラワーのお花畑ができたという次第。プロバンスでも友人がつくっていた一角がすてきで、 我が家でも、或る秋、家の横に植えたら、その次の春にすばらしくすてきな花が咲き乱れた。そう、また、やってみよう。 次はドライブウェイに沿って。来春が楽しみである。
夕食は、ダックコンフィのグリルとフィンガリング・ポテトがメイン。 サラダが終わったら、旦那様御用達のラデュレーのケーキが出される。朝のクロワッサンとコーヒーのあと、 夕食後のデザート用に『楽しみ、楽しみ』と、買っていらしたのだ。 しばらく、アルコール抜き、砂糖抜き、玄米食の三原則を、もちろんお客様やクラスがある時はだめだが貫いてきて、 だいぶスマートになってきていたが、フランスの旅ではできそうにない。すべてがおいしすぎるから郷に入れば郷に従うこととしよう。 翌日はシャンパーニュへの車旅。家からたった80kmの距離だ。GPS通りに行かず、わざわざ田舎道を選って走ってくださる。 最初は、かの有名な「MOET
& CHANDON」。地下のワインセラーは何kmも迷路のように走っている。 案内のあとのテースティングは、ほかのツアーの人達とは別に、
なんとかのナポレオンが招かれた個室でのプライベート・テースティング! 友人の計らいにいたく感謝。
バブル(シャンパン)が大好きな私にこれ以上の贈り物はない。フレンチドアをあけてみると、何百年もの樹齢のかしの木が立っている。
もちろん、その木の下でナポレオン同様、記念撮影。
シャンパーニュのぶどう畑をはるばる見下ろすリレエシャトーのレストランでお昼をごちそうになる。
この日はすこし曇ったり、雨もシャワー程度に降ったりだったが、その景観のすてきなことといい、地元のお料理もおいしくいただき、ごきげん。
ぶどう畑に見送られながら家路につく。お昼にたっぷりコースのおいしいランチをいただいたから、夜は遅めに私がサパーを作る。 シアトルの友人にいただいた日本からの干そば(だし付き)で、昨日のダックコンフィの残りとねぎを入れて「かもそば」をつくる。 胃にやさしく、あったまり、ホストの友人夫妻も大喜び。これほど、イーストとウエストが合体したおいしい一品はないだろう。 作って喜こんでいただけるのはシェフ冥利につきる。 Part IIにつづく……。
2006年10月
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