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教室でお料理を教えたり、世界の「食」を求めて旅をしたり、 また日常生活の中から役に立つアイデア、新しい発見、感激など、「食」に関するエッセイをお届けします。 ![]() 3月最終の週から8週間、料理クラスもお休みにして、USコーストガード承認のキャプテンズライセンス・コースをとりだした。 火、水、木と週3日間、夜にシアトルのUSマリタイムアカデミーまで出かけるのだが、 そのうんざりするトラフィックにめげず、 また3時間半の早いピッチで進む講義にも、なんとか無事こなすことができた。 外では吉野が咲き、花吹雪となって散り、若い緑が萠だし、新芽の息吹を感じ、山椒が芽をだし、いい頃合いの葉が出てきたあと花をつけ、 また 遅咲きのぼたん桜が固いつぼみから満開になり、そしてその名前同様、ぼたぼたっと 花落とし……、と、 それらをキッチンの窓際のテーブルで眺め過ごしながら、金曜日から月曜日は週末のどんなお誘いにも応ぜず、 早朝から夜まで、 一日10時間以上もかけて勉強のしどおし。 まるで日本の学生時代のような毎日。 もう10年以上も前、母が亡くなった時にした写経100日、最初、般若心経の意味さえわからず、また、なぞる写経紙がなくなってから、 ふつうの半紙に書くことの大変さも、難しいと思うことも、何事にも通じると思うが、100回もするとさすがに解ってくる。 途中でへこたれそうになることが頑張れる。難しいことでも、一歩一歩すると、最後には出来ているのだ。この修行は、 後々、 いろいろなことでも役に立った。今回のこのコースでもしかり。いったん、自身で会得したことは励みとなり、自身の芯をつらぬく 強さとなったようだ。 クラスでは難しすぎて、講義についていけなくなり何度もパニクったが、 その都度、インストラクターの先生の辛抱強く親切な教えのおかげで 理解していくことができた。 若いころから何度かトライしたけれど絶対解らなかったことが、この年で勉強し、克服できた。 また、クラスは老若男女、だれも、 潮っけあふれる怪物ばかりだったが、おどろきは、はじめてのクラス、何人もの女の人の受講者が結構いる(14人中6人)こと。さらに、 リタイヤーした年寄りまでもいる。まして先生のひとりは女のキャプテンだ! これで勇気づけられた。 世界の海を何万マイルも旅してきたベテラン、家業が365日船のチャーターの仕事をしている若者、大きな船を持っている弁護士、 モーターボートを持っているUPSのトラック運転手、やはりセーラーのお父さんをニュージーランド沖で亡くした大きな船持ちのおばあちゃん仲間、 ウッドンボートセンターで働いている、毎日海で仕事をしている若い女の子等などが生徒たち。そして私はというと、学生時代19歳の時から、 ヨットにのめりこんだ潮っけ多い女。でも職業は、料理教師。 週が進んでいくうち、病気になったり、それでも勉強しなければついていけなくなるし、 同じような目にあったクラスメートもみた。 そして、ついに運命の試験の日が近づいてきた。チャート、プロッティング、ナビゲーションジェネラルの他に、 何冊も何冊も、法規からデッキジェネラル、広範囲に及ぶ科目、本の隅々まで勉強しなければ、そして、暗記しなければならない。 勉強していくうち、なんて、こんなに豊富な知識を得られて、体の全細胞を活性させて、取り組むことができた幸せを感じるようになった。 なんとか試験日までに練習問題をこなし、パスライン(90%)以上までできるようになり、臨んだ試験の平均では、歴代ハイの98%をマーク! 高得点で合格。 自他とも信じがたい成績だった。 6月には、コーストガードからサーティフィケットが交付されるので、これからの私のノルマはシータイムをクリアーし、あとCPR、 ファーストエイドやドラッグテストをし、書類を申請すれば晴れてマスター100トンのキャプテンとなれるのだ。また付帯して、 セーリング・エンドースメントのテストも受かったので、とても満足している。 この勉強のおかげで、『これから』がわかってきたみたい。 もっと深く、海のことも船のことも勉強し、実践し、楽しんでいけるし、 セーリングも教えられる。海と関係する食のことも広げていきたい。 それはそうと、今回のテーマは、食と関係がない? いやはや勉強に忙しく、まるで受験勉強中しかり、だったので、 主人が適当に簡単なものを作ってくれたりしたが、週一回は2〜3日食べておいしいおでんやシチュウなど、じっくり炊き込んで、 心身ともにいやされる食べ物をしっかり作ったほか、みそ汁などもふだんの倍量はつくり、また、冷凍海老と青野菜の組み合わせでえび汁そばなど、 あっというまに出来るおいしいラーメンをよく作った。 また料理をしたり、滞っている家のなかの整理もしよう。 やっとシアトルらしい季節をおおいに楽しむことができるだろう。
2007年5月
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