杉山洋子料理工房
 


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FOOD TALK

教室でお料理を教えたり、世界の「食」を求めて旅をしたり、 また日常生活の中から役に立つアイデア、新しい発見、感激など、「食」に関するエッセイをお届けします。



LANGLEY

このサンクスギビング、日本から帰ってきてすぐ、茶懐石のクラスや、続いて西洋料理のクラスと立て続けにして、 (このお料理を教えるという作業は膨大な準備、買い出し、レセピー作りと、時間と体力がいる) もう若くはないから自身が消耗していると感じ、また、キッチンから離れたいような気分だったので、前日にうまく予約がとれ、 祝日に1泊どまりでLANGLEYに行く事になった。

秋のサンクスギビングは、結婚した当初から朝からパンプキン・パイを焼き、ターキーを焼いて、 一日がかりでお料理を作るのが大好きで、30年来かかしたことがない。時には家族でホテルや、 リゾートやクラブのレストランへわざわざ食べにいったりしたことがあったが、いつも満足しないので、 土曜日ごろに家でしっかりつくるので、スキップしたことがないのだ。おかげで、我が家の子供達は、 1年に一回焼くターキーが大好き人間に育った。

photo 今回は、仕事をやり遂げた充足感を感じながら、お気に入りのお宿に泊まりに行った。シェフは15年前、 食の都、サンフランシスコからシアトルに越して来た時にやっと満足できるレストランを見つけたと思ったときの、TOM DOUGLASの「DALIA LOUNGE」を当時取り仕切っていたシェフであり、お宿は前シアトル市長のPAUL SHELLファミリーがやっているのだ。 お気に入りといっても、ヨットでよく行くPORT LUDLOWのリゾートホテルの姉妹ホテルなので、初めて行く宿にしてもなじみの感じがする。 お風呂が日本ののようにたっぷり深くて、なんと温泉でもないのに一泊のステイで3回もはいったのは、日本なみかもしれない。 海がすぐそばで、 photo 風呂場の窓をあけるとすーと気持ちよい汐風が入ってくる。脱衣所には、ヒーターもはいっている。 和のもてなしみたいと感じる。アメニティーも感じいい、いいものをつかっている。まこと、いいアメニティーは、旅をなごませる。

お昼のシーティングは、午後の1時。お客は16人。
シェフひとりでお料理をつくっているのだ。
メニューもよく、また、今迄で一番すてきな、胸わくわくするサンクスギビング料理だ。土地のローカルの海、山からの産物をつかって、 上手に献立ができている。アペタイツアーは、PENN COVEの柔らかいちいさなムール貝。リークとライスビーン(これははじめての豆、その上品な粒と味わいは極上)とあわせ、 ハニー・シャンパン蒸しである。

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最初の一品からして、すばらしいから、あとあとのメニューが楽しみである。 次はジェルーサレムアーティチョークのスープ。熱々を供される。スープのあつあつほど、ごちそうなものはない。 懐石でも椀盛りの椀があつあつであるかどうかが、たいへん重要なのである。いかに熱いままで、 お出しできるかが料理人の腕のみせどころである。ガーニッシュのしかたもこころにくい。 メインのターキーは、一晩前からブライン(塩水他香辛料とも)につけてのロースト。私もここに来る前に、 特製のブラインに鳥をつけて、ガレージの寒いところにおいてきた。丸三日はブラインにつけておく。家へ帰ったら、 土曜日ぐらいにアップルウッドでホッとスモーク・ローストにする。 付け合わせはパースニップスのマッシュ、シャントレル・マッシュルームのスタッフィング、スイスシャードのソテー、 玉ねぎとベーコンのグレーズ、とてもおいしい。ターキーだけは、私のつくるほうが味が染んでおいしいかも。
photo チーズコースにデザート、すべて申し分なし。
こんなにハッピーになったサンクスギビングのディナーは、家でつくる以外、はじめて。とっても満足、大満足で、部屋にご帰還。 日が暮れるのが早く、遠くに対岸の灯がつくのを見ながら、暖炉に火を燃やし、ロッキングチェアに身をゆだねる。朝ごはんもすてき。 「PORT LUDLOW」のよりぐっといい。ブレックファースト専門のシェフがいる。

このLANGLEYには、これで三度め。photoずーと昔にLA CONNERから陸路ウッビー島を南下してきたことがあった、 我が家の子供達、犬のカーチーを連れて。昨年は夏の終わりに新しいエンジンを船にとりつけたので、その試運転をかねて一泊のクルージング。 ちょうどLABOR DAYのウイークエンドにあたり、photoLANGLYEYのマリーナについたら、ハーバーはいっぱい。アンカーリングをして、 港の外で泊まることにした。波があまりなくて、結構いい停泊場所だ。テンダーをもってないので、上陸するのに近所に泊まった ボートに合図をして、乗せていってもらう。帰りのガソリン・タンクも満杯にしなくちゃならないし、ディーナーを食べ、小さな町を散策し、 近くの画廊でやっていたアーティスト達のオープニングパーティーに遭遇し、なかなかいい木のボウルや、 伊賀焼きを勉強したという陶芸家の一輪ざしなどを買った。どちらもよく使っている。こういうおみやげは楽しい。
photoこの町に一台しかないというタクシーは、呼んでもらってから来る迄1時間はかかる。でも、すべてがなにかゆったりして、 アイランドの生活なのだ。

シアトルから陸路来ても、MUKILTEOからフェリーで20分足らず、そしてLANNGLEY までせいぜい15〜16マイルだから、 近場の週末を過ごすのに最適だ。週末は、シェフの料理を食べにいくだけでも、価値がある。

来年の夏は、PORT LUDLOW、LANGLEYとWHIDBY ISLANDの南端をはさんで西へ東へと、一日セーリングしたあと、おいしいものにありつけるごきげんなコースをたどってみよう。

もう12月、そろそろクリスマスシップのシーズンだ。

2005年12月





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