杉山洋子料理工房
 


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FOOD TALK

教室でお料理を教えたり、世界の「食」を求めて旅をしたり、 また日常生活の中から役に立つアイデア、新しい発見、感激など、「食」に関するエッセイをお届けします。



Paris
PART 1

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9時間15分。この6月からエアーフランスがパリーシアトル間のダイレクトフライトを飛ばしている。 この情報は6月、プロバンスから大の友人夫妻が来た時にもたらされた。彼らは就航初フライトで来たのだった。 じゃあ、私も一度試してみようと。驚く事なかれ、シアトルからこんな時間で行けるとは!

いつもウエストコーストからだと、乗り換えて、結構時間がかかるので、少なからずともヨーロッパは遠かった印象が、 10数回目にしてはじめて、『えっ?こんなに近い?』と、目からうろこ。 日本へ行くのとさほどかわらない。帰ってくるのでさえ9時間50分だった。

photo パリのホテルは、今回は13区のプチホテル、でも、なかなかコンテンポラリーで気持ちいい。 ことにメトロまで、たった20メートルぐらい。ホテルを出て、ブラッスリーの前を通り過ぎたら入り口。 8番なので、コンコルドやマドレーヌ、バスティーユと一本でいけるのは、もうけもの。 ただ、インターネットで探して一人部屋の一番高い料金を払わされ、しゃくだったけれど、 もし通常料金だったらごきげんだっただろう。バスもホテルのすぐ横から出ているし、便利この上ない。

着いた翌日朝7時にはホテルを出て、集合場所のアランデュカス・ブティックへ。
念願のアランデュカス(ALAIN DUCASSE)の1日コースをとるためだ。このごろは、インターネットで 地図もメトロも一目瞭然でわかるので、メトロを3回乗り換え、早めに目的地を見さだめておいて、 ちかくのカフェで朝食。おきまりのフレッシュ・オレンジジュース、クロワッサン、カフェオレ。 たまたま入ったこのカフェは、当たり! 感激するほどおいしいクロワッサンにあつあつのカフェオレ。 もちろん、フレッシュ・スクイーズド・オレンジジュースは、主人の仕事柄、カリフォルニアから日本へ出荷する特上のオレンジを家で飲みつけているので、はるかにその味にはおよばないが、文句なしとする。

パリに着いて第一日目のとっても幸せな朝ごはんに大満足して(旅のさい先いいのはとってもラッキーな気分)、 先ほど確かめておいたアランデュカスのブティックへいくと『あらら』。 また、ここはすばらしいベーカリーと店の奥に感じのいいコンテンポラリーなカフェ・コーナーがついている。 たった今、おいしいパリのエスプリといわんばかりの朝ごはんを食べてきたところなのに、また、お茶できそう。 できたてのプチケーキの袋入りを買い、お茶と頼むと、なんと、『THEVERTE』グリーン・ティーだ。

そうこうするうちに迎えの人とバンがやってきて、1時間近くパリ郊外までかかったかな。ついたアランデュカスの料理アトリエは、プロ養成のキッチンと一般人向けのキッチンとに分かれていて、 今回はたった1日なので、また、私が教える対象が大抵ホームシェフなので、一般人のクラスを受講。 着いた早々、またなんとブレックファースト!がサーブされる。 オレンジジュース、クロワッサン、お茶かカフェオレ。 敬遠するつもりが、目の前に出されたクロワッサンは、焼きたての神々しさ。 思わずまけてしまって、いただくことにしたら、この料理工房でシェフの焼きたて!  絶妙においしくて、カロリー高も気にならず、幸せになんと今朝から3度めのブレックファースト!

『軽いフレンチ』と題する今回のメニュー。どんなことが習えるのかなと、 まず私の茶懐石のクラスの5倍近くもするここの料金(ユーロ高がつらい)にも驚かされるが、 それは承知できたのだから、キッチンの設定、シェフの教え方、なにか新しいトレンドはと、様々に観察する。 インストラクターは英語もしゃべれるので、質問には答えてくれるが、授業はフランス語。 もし通訳(フランス語―英語)を頼むと、さらに150 ユーロとくるので、おっかなくて頼めない。 まあ、料理を22年も教えているので、目で見るだけでもわかるだろう。

photoかたことのフランス語だけでは何の役にもたたない。ただ料理に関しては、一般人向けなので私にはやさしすぎる。 でも、ちょっとあたらしいテクニックや道具、また、トレンドなどを習って、そしてあきれたのは、軽いフレンチとなると、 アジア風をアレンジしたものなんだった。これじゃ、私のほうがうまくできるなっと思ったのも2品ほどあった。

photoいつかプロバンスからベニスに車で行く途中、ジェノバの市場を皆でうろうろしていた時、 チックピーでつくる大きな大きな鉄板で、(直径1mぐらい)クレープ状のようなのを味見したことがあったが、 メインコースの付け合わせは、まさにそれをふつうのフライパンでつくるのもあり、なんだか懐かしい味だった。 世界を旅していて、これに似たのをノールウェーでは、でこぼこのローラーで伸しながら焼いて、溶かしバターを塗り、 グラニュー糖をふりかける。そういったのを思い出しながら食文化の類似を見るのは楽しい。 クラスの写真をたくさん撮ってきたので、写真をみて、次回の西洋料理のクラスに生かすとしよう。 ただ、クラスはレセピーどうりではまったくない、と、いうことを改めて付け加えておこう。
今回は料理だけでなく、クッキング・クラスの品定めといった勉強だったかも。

翌日はLE NOTREのまた半日コースをとりたかったのだけれど、SOLD OUTだったので、 夕方、パリ市内で新しくできたATELIER DES CHEFSのクラスをとりに行った。 もちろん、前もって予約していないとだめだが。このクラスではレセピーもくれなくて、 でも、見ていてひとつ『なるほど』があったので、私は納得。

photoその日のお昼は、LE NOTREのパビリオンで優雅な昼食、といっても、典型的なビフテキ&フリット。 もちろんシャンペンからはじめて。 それにしてもフランスでいただくシャンパンの味はどうしてこんなにふくよかで、やわらかくて、しゃぱしゃぱフレッシュで、おいしいんだろう。 ついこの間、ベルスクのイタリアンで、プロセコを頼んだら、泡もほとんど見えずフラットもいいところなんで、 ボーイに新しいのをもってきてと頼むと、なんと、ちがうグラスにそれを注ぎ直してもってきたのには、 あきれかえって、ずっこけだったのだった。そう、ここパリでは、みながみなシャンパンを頼むので、グラスで頼んでも新鮮。器もアンビアンスもしゃれていて、もちろん、ハッピーな昼食。ここで、おもしろかったのは、 小さくコンパクトな白い何か大きめのミントかな? なんておもったのが、ギャルソンがきて、レモン水をたらたらたらすと、 またたくまに水をふくんで、お手拭きになったのに、ススンデイルー。

やっと3日め、フリーの日。去年は、オープンしたてで、長蛇の行列ではいれなかったQUAI BRANLY美術館へ。 ここは輪島か?とおもうほど、庭の築山には、すすきの穂が波打っている。また春明菊もまっさかり。 その建築もすてきで、娘にみせたいなー、と思った。展示のしかたもすばらしく、新しい! ここのカフェビストロも休憩にぴったりで、軽食もなかなかいける。 疲れた足をのばしながら、ゆったりすばらしい庭をながめる。真っ正面にエッフェル塔もどーんと真近くみえる。 そういえば、金沢の21世紀現代美術館のカフェもどこか似ている気がする。

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また、このミュージアムの南端のビルの壁は、垂直の緑の壁。これも、金沢の美術館の中庭に同様なのをみているので、 なかなか現代風な垂直ガーデンには、はっとする。すきな造園だ。

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4泊のパリ、お昼はフレンチで、夜は4日とも和食ですごしたのを白状しておこう。 なかでも、ここは先斗町かと間違うほどいまやオペラ界隈の和食店舗がたくさんある通りで、 少々お高いが『眉山』はいい。4−5年前までは、『伊勢』だった。 以前、Petite Champの通りの料理学校で、ゲストシェフとして教えたときに発見したレストランだ。 夏の終わりの『うに』をひとつづつ殻から出していたのだが、もうおなかがいっぱいで次回にしよう、と思って翌年行ったときは6月で、 季節にはまだ早いので食べれなかった。 今回やっとここで食べることができたのに、少々感激。一度主人を連れていきたい。

この日はGare de Lyonからぶらぶらセーヌ河畔を歩いて、バスティーユのオベラまできてしまった。おもしろかったのは、ノートルダムをみる二股にわかれているところまでくると、まるで、シアトルの運河のロックスのような場所があったことだ。 普段は自分が船に乗っている立場なのに、今日は見物客。それにしてもちょっと不思議。セーヌは河なのにどうして水位がちがうの?  右手はマリーナになっている船溜まりがあるので、そうか、水を底上げして、 ドラフトの深い船でも入って行けるようにしているんだと、これを書きながら納得。

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バスティーユまで歩いて、夕方、なかなかauthenticな雰囲気の店で、すし&焼き鳥コンビネーションを頼んだら、 なんと韓国人の人の経営、すしは、べけだけど、焼き鳥の味がまるで銀座のお気に入り、 ロブションがうなったというBird Landの焼き鳥のたれの、その味に似ているではないか!  ついでにズキニだけを串に刺したのも焼いてもらった。

今回は着いた日、やっぱりうどんがほしくなって、シャンゼリゼ近くで稲庭うどん。翌日はホテルムーリス(5つ星)の隣の衣川。三日目、眉山、そしてなんでコーリアン!?だったけれど、 藤原の焼き鳥。さあ、次の日はリヨン駅で、エドリアンと待ち合わせて、スイスのVeveyまで汽車の旅だ。(つづく…)。

2007年10月





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