杉山洋子料理工房
 


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FOOD TALK

教室でお料理を教えたり、世界の「食」を求めて旅をしたり、 また日常生活の中から役に立つアイデア、新しい発見、感激など、「食」に関するエッセイをお届けします。



和の楽園

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何年前だったことだろう。三好和義の写真集、『和の楽園』を手に入れた。
1991年の出版だから、そんなに古いわけではない。
ふだん外国に住んでいて、日本に帰ったときに訪れたい、泊まりたい宿が、主観的にも、わたしも共鳴するところがあって、その美しい写真と照らし合わせ、毎回ではないが、次、日本に帰ったら行ってみようと、心に留めるお宿が少なくない。もちろん、若い時からあわせて、偶然にもすでに泊まったことのあるお宿もあれば、外国から友人達が来たとき、あるいは、食の旅で、つかいたいお宿と多々ある。

この秋の訪日では、主人と結婚35周年ということもあり、なにか、心に留めたい温泉旅行などしたいねえと、大阪、神戸、金沢、輪島へ行ったあと、新潟は岩室温泉の「ゆめや」に泊まりにいったのだった。写真集で感極まったのは、冬の写真だったのだが、雪のない秋の風情はどうだろうか?と思いを馳せながら。

まったく、来たことのない未知の駅、未知の町、どんなところに温泉があるのだろう?っと、朝早く輪島を出発して、そのお宿にたどりつくのに8時間もかかっていたが、タクシーを降りて門に立つと、なんとなくよさそうな雰囲気が漂っていて、うれしい。

玄関に大きく野の花が生けてある。入って最初に案内されたロビーの空間もよく、部屋も二階で、ゆったりした感じが心地よい。宿のサービス、料理ともだいたい、満足でき、温泉も熱さにこだわるのだが、ちょうどよい。ここでゆっくり二泊する。ことに、部屋係さんのどうさなどもよく、聞いてみると、京都は花背の美山荘へ、修業にいかせられるのだそうだ。 美山荘も感激のお宿で、おかみさん、若おかみとも、非常によくできた、おもてなしの心をお持ちの方々だもの、納得である。ここに来る前、美山荘のお昼を友人達と食べにいったのも、記憶に新しい。九州からきた友人とは、バンクーバーから来る友人を驚かせようと、言い合わせて、着物をきていった。おいしいお料理をいただくのに、また、美山荘のようなところに行くのに、ぴったりだったと思う。心づくしをいただいてきた。

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さて、日本のお宿で、二泊、三泊すると、けっこう、飽きがくるものだ。その点、京都で常宿にしている町屋のお宿は、片泊まりで朝食付きだけだが、朝食が感激するぐらい、京都のおばんざいを毎日の食事として、手をぬくことなく、毎朝、満足させられる。今年は少し値上げしたが、たいしたことはない、今までが安すぎるぐらいだったから。

それでも、二日目の夕食は、秋のしつらえが美しい先付けにつぎ、刺身には、ふぐのてっさがでた。ひさしぶりなので、うれしいのと、お料理の品数も、このお宿は、自分にあったのを選ばせていただけるので、それでも、コースが終わるころには、満腹以上。

さて、来年は、どこへ、行く計画をたてようか?
我が家は、すべて、母べえ(昨日みた吉永さゆりの映画をみてすぐ感化される)
まかせなので、ここぞ行きたい!とおもうと、すぐすっとんで行く。
いい宿、いい料理、いい温泉、これ以上の和の楽園はない。
そうそう、それに、いい連れで決まり!

2010年10月




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