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教室でお料理を教えたり、世界の「食」を求めて旅をしたり、 また日常生活の中から役に立つアイデア、新しい発見、感激など、「食」に関するエッセイをお届けします。 目に青葉、若葉がしみる新緑の頃、晴れた日のシアトルは空気が澄んで、太陽の光線が澄きとおる、一番、心がうきうきする季節だ。
結局、留学生活は8月はじめ、父が病気で、末娘の私は家に呼び戻されたために終わり、学業は成しえなかった。でも、ヨットに関しては日本から他の誰もが未だできなかったであろうノースウエストのレースに数多く参加することができた。 5月のメモリアル・ホリデーは、世界的なレース、SWIFTSURE RACEに参加。天候が悪くなれば過酷で、 何人もの人が亡くなったことのあるビクトリアから太平洋のスウイフト・バンクまでの往復レースである。 それまでにも、日本で外洋レースに何度か出場していたので、海が荒れた時でも、まな板と包丁をどんな角度でも使いこなせるのが私の特技だった。 狭いギャレーの空間、限られた材料、水で、有効に献立を作り、クルーの食事を整えるのが、私の料理の原点ともいえよう。 雪山にキャビンがあったので、そこで作るのとあわせて、皆目、家では料理の手伝いすらしたことがなかったのだが、関西ではあたりまえ、 家族中がグルメで、若い時から美味しい物には目がなく、また、来客に御馳走するのが常で、 週末にはヨット仲間と船で美味しいものをつくるパーティーを数知れずしたものだった。 この春で20年、料理を教えてきたが、初心に帰るとすれば、昔、シアトルヨット・クラブでいただいた、メンバーが作った料理ブック、 その装幀がすてきなスパイラルの本、Yachting用の、そんな感じのものを作りたい。
でも、この季節、夏とすばらしい気候に恵まれた日、太陽がまぶしすぎるので、ブームの上にオーニングを広げ、 これも特注でジョン・ガズウエル氏に作ってもらったテーブルをドックボックスから出して、コクピットに広げ、 すぐ近くのパイクプレース・マーケットから買ってきたフレンチ・ベーカリーからのバゲット・サンドイッチやフルーツをならべ、 オレンジを絞り、シャンパンを抜き、ミモザなどを作って飲んでいると、類いなく幸せに感じる、人生、至極の時でもある。
2005年6月
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