FOOD TALK

花、花、花

2006年3月

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一雨ごとに、花が開花していく。不思議なことに、我が家の寒桜は今を盛りに咲いている。庭の吉野も咲き出した。まだ夜間は氷点になる とても寒いシアトルなのに、陽がでる日中は結構暖かい。クロッカスも全開。

 

近所のこのめずらしい花の木も青空に美しく咲き誇っている。 


前から一度してみたかった桃の節句を題して、ひな祭りの茶懐石のクラスも終わった。輪島の尚古堂さんにこの2月、 前から懸念の椀に蒔絵の金を余分に足してもらい、思い通りのはっきりした椀にしていただいた。瞬く間にしてくださったのだ。 そして、注文していたはじき引き杯は、八日市の招福楼本店で使っているのと同じもの。本当の輪島塗りというものは、木で型を挽くときに、 もうほとんど木地がすけるかとおもう位薄く挽く。その技術がまず問われ、それらをつくる木地師さんを育てるのに大変と聞く。 この、雲のように軽い極上の杯は、茶懐石の膳になんと幸せな風を吹き込んでくれたことでしょう。裏千家シアトル出張所長のB先生はじめ、 表千家のI先生方をしても、なんとうれしいと、絶賛された。 
 

このあと、クラスはしないが、前にもFOOD TALK に書いた(輪島)が、同じく尚古堂さんで直していただいた背の高い桜の杯を使って、 是非、今年の桜の懐石をしてみたいと思う。幸い、今月の終わりは、当地シアトルに、全世界から食のプロフェッショナル1,300名 ほどが一同に集まるIACPのコンフェランスが開催され、我が家には、フランスはプロバンスとパリ、ニュージーランド、スウエーデン、 ニューヨーク、トロント、サンタバーバラとたくさん友人達が押し寄せてくる。ほとんど津波のように。ま、ちょっとコンフェランス が始まるまでにやってくる友人達の中で、私にとって好都合な日であれば、このとっておきの杯をつかった食事にありつける幸運な人達もでてくるであろう。

ところで、今回、このコンフェランスで、バンクーバーからフードスタイリストで世界でNo.1のAWARD OF EXCELLENCEに輝いた中国系カナダ人の友人と、 ミネソタからBEST COOKING TEACHERで同じく世界のNo.1の賞をとったインド人の友人と私の三人で、「COOKING WITH LEAVES, ASIAN STYLE」という ワークショップをする。
選ばれるのに、その競争率は10倍と聞く。わたしの受け持ちは、日本で使われている葉をつかった料理の紹介と、桜餅をつくって、なんと180個、 180人分を作って、テースティングしてもらう。その数には、ひえーっという悲鳴がでそうだが、なかには、1,000人、2,000人ものケータリング でも平気という強者がいっぱいいるから、大したことではないのだろうと思いたい。一カ月以上前、テースティング用のミニ桜餅をつくってみた。 本当にpetiteサイズ。桜の葉で包まず、椿の葉で上下かぶせば椿餅。餡をスクラッチからつくれば、また大仕事なので、京都の和菓子屋「末富」の ご主人おすすめの餡をつかえば(京都から買ってきた)、あとは道明寺粉の外側をつくり、塩抜きした桜の塩漬けの葉で包むだけだから、 さほどの手間はいらない。見本さえみせれば、コンベンションセンターのシェフ達にもできるだろう。 

 

それにしても、日本の和菓子は風情がある。
最近といっても、去年からお茶のクラスメートでもある友人がはじめた和菓子教室に触発されて、二、三つくってみたが、この桜餅しかり、 最近、大好きだったのは、利休まんじゅう。和菓子も、二、三、自分の十八番をもっていたら、心強いものだ。季節季節の茶懐石と和菓子がつくれたら、 あとは一生懸命、お茶のお稽古をして、いつかは軽々茶事ができ、さりげない茶人となれたらすてきだ。秋の侘び茶もすてきだが、 この心うきうきの春の花の季節のお茶も楽しい。みなで着物をきて、このアメリカで手作りの茶会をしようよ。そして幸せになろうよ。 なんだか、大好きな長渕剛の歌みたいになってしまった。