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FOOD TALK

和菓子づくり

 

昨年から、アメリカ人のお茶のクラスメートが和菓子作りを教えだした。彼女はUW(ワシントン大学)で、日本人の学生にビジネス英語を教えるのが本職だが、 京都にいって和菓子に出会ってから、老舗の老松などで特訓を受けたり、日本語の和菓子の本を生徒に英語に翻訳してもらったのをもとに練習したり、 お菓子作りに傾倒している。腕はなかなか大したものである。

 

日本では、和菓子作りのやさしい本がたくさん出ている。なかでも、金塚晴子が書いたたくさんの本は秀逸である。素人でもなんなくうまくできてしまう。 これらの本を見て、やろうという気があればいつでもできるのだ。丁寧に写真も手順も載っているから。

 

でも、料理にしても和菓子作りにしても、実際に目の前で作ってもらったら、意欲が出たり分かりやすくて、自分で作ってみようという、そんな気になるものだ。 その点、はるかに日本人よりディスアドバンテージがあるのに、最初に自ずから作って教えてくれるアメリカ人の彼女には、脱帽だ。

 

ただ練習なのでおいしい餡まではつくってくれない。テクニークだけを習う。家に帰ると(なかなかそれでも作らないが)とても気に入ったものは作ってみる。 もちろん材料は一番よいものを使い、餡は丹波からのあずきの上物で。今日は葛桜を作ってみた。葛は吉野葛の本葛を使って。 たいがいの本を見ても材料が簡単すぎて、あとは慣れだけ。さらにもっと作りよい方法をあみだしたりもできる。

 

餡が手元にあるととても簡単な和菓子があっと言う間にできてしまう。 今迄の自作でお気に入りは、利休まんじゅうに酒まんじゅう、桜餅、そして、日本の和菓子屋さんで見つけてこれなら出来ると先月作ったあじさい。 寒天を餡に付けるだけなのだが、とても美しい。そしてこの葛桜。有頂天になってしまう。

 

ずいぶん昔からつくっていた鮎の和菓子は、 最近京都の有次で焼きごてを買って来て、表面にマークをつける。こういう道具が遊び心があって楽しい。 6月には、教えてもらったものは作らず、自分であじさいと鮎を完成させた。 

 

今年の夏には2年ほど前の『四季の味』に載っていた写真の『氷室』を作ってみたいと思っている。レセピーはないので想像で創作するのだ。 昨年の夏につくった金玉の金魚は、 ニューヨークの高島屋でその型を見つけ、これも金塚晴子が『和楽』に載せていたのを自分流に材料をかえて作ってみたが、その過程が楽しかった。

 

そういえば、昨年の秋、11月に、八日市の招福楼や桜田でいただいた葛焼きをまだ作っていない。有名な料亭や料理屋さんで出されるデザートは、 すぐ作れるようにしようと思うが、また、心にあたためている数々の和菓子、 或は、まだ作ったことのない洋菓子(パリのラドレーなみのマカロンをつくりたい)とも、いつかお気に入りのレセピーに加えることができるのは楽しみである。

 

和菓子作りは基礎の材料が分かり、組み立てが分かったら、あとは応用だけ。材料があって、まだ作っていなくて作りたいのが、笹の葉でまいた麩まんじゅう、 二色のようかん(名前は、あけぼの)、寒天でつくる干菓子の千鳥。それと名前は思い出せないが、もう一つ、大好きな干菓、そうそう寒梅。 思い立っているときに作ってみようと思うのだが、この2カ月、糖尿病のけらいがあるので、酒断ち、砂糖断ち、玄米食を続け、 10ボンド(5キロ)は痩せて、もう着られないとあきらめていた服がまた着られるようになった現状で、甘いものをつくるのは?と、 思いつつ、週一回のお茶では、和菓子をいただくので、せめて、作れるもののレパートリーは増やしておこうと思う。

 

どうぞ、和菓子作りをいっしょにしませんか?

 

2006年6月