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FOOD TALK

マリンケトル

2006年8月

 

 

最近、ついにごきげんなマリンケトルを買った。前々から欲しかったのだが、どういう風に船のパルピッに付けたものかと、その方法がどうしてもわからなかった。

 

ある日、私の車「MINI」の1万マイル・チェックアップのために、タコマのディーラーに行かなくちゃならなくて、そこで3~4時間待たされることになった。 ショールームのウェイティング・エリアはごきげんな空間なので、たくさん本を持っていったりして、読書三昧に過ごすこともできたが、 たまたまその近くに、ヨットボーティング・グッズのお店「WESTMARINE」があったので、 店内をゆっくり時間を使って覗いてみた。こんなに時間がたっぷりあって、 あれこれ手に取って見られるのは久しぶりだ。そこで見つけたマリンケトル。その時は、パーティー・サイズの大きいのしかなかったので、買わなかったが、 それをパルピットに接続するロットのサイズ等を見ておいたのだ。後日、シルショー・マリーナの近くの店で、私の船にぴったしのサイズのケトルをゲット。 そして、直径1インチ用のロットも購入! そのまま家に持って帰り、夕食後、自分で組み立ててみた。普段こういうややこしい機械ものの組み立てなどは、 主人まかせにするのだが、いったん船のものとなると、私がキャプテンなので、すべて自分で納得するように、また自分でできるようにトライしてみる。 おおよその仕組みはわかり、これなら、船に持っていって試すことができる。

 

週末、パイクプレース・マーケットで買い出しをし、夕方シルショーから出航して、お気に入りの穴場、PORT MADISONへひたすら直行。 このレグは、いつも風向きがノースかサウスウエストで、いずれにせよ、アビームで走れるのだ。ちょっと風がイーストにふれるとさらに加速できる。 ヨットはモーターボートと違って、環境にやさしい自然の風のほうがパワーをくれるのだから。1時間ちょっとで着いてしまう。 

 

PORT MADISONでは、やっと今年はじめて、レセプトコルクラブのゲスト用ドックを見つけたので、船をそのごきげんなドックにつけることができるようになった。 船をドックにつけた後は、日本の「舵」(KAZI)誌から『デッキで海ごはん』という料理のページの原稿を依頼されているので、 さっそくこのマリンケトルでノースウエスト産サーモンのホットスモークを試してみることに。早々と夕食の支度に取りかかるが、船で料理をしない主義なので、 まずは、パイクプレースのお気に入りデリで仕込んで来たお惣菜を並べる。ワインとフォカシアがあれば、もう他にはいらない。いまは盛りのチェリーがデザート。 結局、おなかがいっぱいになりすぎて、テスト・キッチンができない……。翌早朝、シアトルに帰って次の用事があるので、6時すぎには出航。朝日を浴びながらこの入り江を後にする。 (このマリーナのことは、後日、書くことにしよう)

 

朝は、風があまりないので、メインだけをあげて、機帆走で帰る。行きの風だけのほうが早く着いたと思うが、帰ってくるのも結構早い。 出る時はコーヒーだけだったから、ホームポートに帰ってくると、さすがにうれしい感じのおなかがすく。

 

さっそく、マリンケトルのおでまし。昨晩、お湯を湧かすのに使った時は火力が強く、あっと言う間に沸いたので、心強い思いだったが、 今朝はまず、ホットイタリアン・ソーセージを焼いてみることに。これも、丁度いい塩梅に焼けて、成功。そして、次が本命のスモークサーモン。

 

杉板を十分水につける時間がなかったためか、11~12分を越えると木が燃えてきた。でもいい感じに焼けてきている。 中がちょっとレア気味だが、近頃は、いいレストランほど、火を弱くして中がレア気味にこのサーモンを出すのが今風。 もちろん、そのトレンドをつくったのは、シドニーは「TETSUYA」の和久田さん。タスマニアのサーモンを使って、こういうレアのをサーブし、 皮を剥いだトップは、なんと塩昆布のえびすめを細かく細かく刻んだのを乗せている。これが彼のシグネチャー・ディッシュ。 話はそれたが、結局、前日に塩とサーモンラブをつけておき、翌日に持ち越して焼いたサーモンは、塩がまんべんなく行き渡り、 また、サーモンラブも味がしみこんで、極上の仕上がり。マリンケトルの実績は大成功。

 

今回購入したマリンケトルは、今年はじめて発売された、今までのケトルを改良されたもので、実際、風がきつい日に使っても火が消えず、その威力たるやすごい。 これまで欲しいと思いながら買ってなかったのが幸いというか、いいのが出た時に買えたのだから、とてもラッキーだ。こと調理用具には、 とことんこだわりを持っているので(いい鍋で調理するととても楽だし、いい仕上がりとなる)、とてもうれしい。

 

相変わらず、船では料理をしないことにしているが、この、なんでもBBQできるマリンケトルのおかげで、これからも船での食事がぐーんと楽しくなる予感がいっぱい。 今のシアトルは、太陽もいっぱい。